私塾のすすめ

梅田望夫齋藤孝の対談をまとめた本

私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書)

私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書)

どこも共感するところが多いがいくつか抜粋を。

梅田
「どうして、そこに行きたいって言わないの、君」といつも言うのですが。そういう主張をすると、案外通るんですよ。日本の共同体というのは、一度中に入ってきた人に暖かい。もちろん、言われた仕事を黙々とこなす人は、使いやすくて便利だから、組織もわざわざ動かさない。でも「自分は実はこういうことをやりたいんだ」ということを言う人は、能動的に中で移っていくことができることが多い。

これは激しく同意。僕自身も部署を変わったし、その部署の中でも自分でこうしたいといって移ってきた。たしかに、言われたことを黙々とやってくれる人は必要なんだけど、幸せかどうかはよくわからない。もっとみんな自分の能力が最大限に発揮できることにフォーカスしていったらいいと思う。やればそこそこできる。だけど自分の最大値じゃないからやらない。それでもいいんじゃないかな。

齋藤
「ノーが当たり前」というのは本当にそのとおりだと思います。ところが、日本人の習性として、自分が出している提案が通らないときのダメージを考えて、とても言い出せない。会社だけでなくて、人間関係のさまざまな場面でみられます。友達をさそって飲みに行くかどうか、というぐらいのことでも、「あいつはすぐに断るから」ということで、やめておく。「ノー」といわれたときのダメージを考えると、提案できない。「ノーといわれたくない日本人」(笑)ナイーブという言葉がありますが、免疫がなさ過ぎるということ。

サーセン。確かに何かを始めるときに、「ノー」といわれることはデフォルトだ。とくにそれがイノーベーティブであればあるほどそうなのだと思う。でも「ノー」といわれることを恐れてはいけない。とりあえずやってみる。とりあえず言ってみるがいいんだろうな。そうでなきゃ、何も変わらないもんね。

齋藤
「大学時代の同級生で、司法試験浪人していた友達がいるのですが、彼が「いろんな用事があって、勉強に集中できない」と言うから、僕は「この世に用事なんてひとつもないよ」と。「用事なんてあるのは、まだ司法試験に本気じゃないからだ。用事を切っていってごらん。なにひとつなくなる」とアドバイスした。

そうだね。本気だったら、一番優先することだったら、他のものなんてどうでもいいはずだかねぇ。「時間がない」「忙しい」もこの仲間だけど、そんなこと言っちゃだめだな。

あんまり抜粋では拾えてないけど、齋藤と梅田は結局は自分がやりたいことをやり、自分で道を切り開きなさい。とといている。特に、「出る杭は打つ」的考えや、昨日と今日と明日は同じと決め付ける知的怠慢と戦うために、ネットと私塾を武器に戦えって言ってる。

これって先日の社内BLOGにかぶるところがある。僕の言った「熱いクラスタ」ってのが私塾に相当するものなのかも。

きっと、イノベーターはそうやって旧体制と戦ってきたんだろうな。